2023年6月13日放送(日本テレビ系)された「ザ!世界仰天ニュース」の
“悪魔になった銀行員…顧客を殺害した富士銀行エリート社員の謎”は
実際に1998年に起きた<富士銀行行員顧客殺人事件>で25年前に起こった事件として再現されました。
実行犯である岡藤輝光氏は現在の状況はどうなっているのでしょうか。
今回は富士銀行行員顧客殺人事件について
- 【仰天ニュース】岡藤輝光(富士銀行行員顧客殺人事件)の現在は?
- 【仰天ニュース】犯人:岡藤輝光の家族はどうしてる?
を確認していきたいと思います。
【仰天ニュース】岡藤輝光(富士銀行行員顧客殺人事件)の現在は?
犯人の岡藤輝光氏は、1998年7月に2人の老夫婦を殺害したとして、当時社会的に注目を浴びた大事件を引き起こしました。
事件概要は
老夫婦と犯人との関係性
- 殺害された老夫婦は、1988年(事件の10年前)より、土地を売却し莫大な利益を出し、その一部である5,000万円を老後資金として当時の富士銀行に預金(バブルで地価上昇)
- 老夫婦は埼玉県宮代町に移住。その時の富士銀行(春日部支店)の担当が岡藤輝光氏で、以来犯行までの間、長い付き合いを行っていた(老夫婦は岡藤氏を信頼しきっていた)
- 夫婦は、当時夫74歳、妻67歳で夫は全盲、妻は障害をもっていた
犯行の背景
- 銀行員として、バブル崩壊後の貸し渋りの中、岡藤氏が担当する運送業者から何度も融資要請あり
- 何とか融資を掛け合ったが、融資基準に達していなかった為、顧客と上司との間で板挟み状態
- そこで、老夫婦を騙し預金通帳と印鑑を預かって預金5,700万円を引き出し。そのまま運送業者2社に融資(俗に言う:浮貸し)
犯行の動機
- 融資した運送業者が倒産し、2,500万円の債務発生
- 一方で老夫婦には、預金の一部を持参すると”名刺裏”に書いて渡すも、持参する金銭のあてはなし
- 栄転により本部融資部の内示が出ることにより、浮貸し発覚を恐れ、老夫婦を殺害
犯行から4日後に強盗殺人罪で逮捕され、その後起訴された。
- 1999年9月:一審/浦和地裁 無期懲役 (検察:控訴)
- 2000年12月:二審/東京高裁 控訴棄却 (検察:上告せず)無期懲役が確定
2人を殺害しながら、なぜ死刑にならなかったのか
裁判所は
- 「無抵抗の老夫婦を殺害した残虐非道な犯行」
- 「動機に酌量の余地は全くない」
などと岡藤氏を厳しく非難したものの
- 「名刺の強取及び、債務を免れる意図について、利欲性はそれほど高いものではなく、一攫千金を狙った強盗殺人の事案と本件とを同列に論じることは相当でない」
- 「犯行は計画的であったが周到ではなく、ためらいも感じていた」
- 「長期間にわたる特殊な経緯からすれば、本件犯行の模倣性・伝播性は大きいとはいえない」
- 「反省悔悟の念を深めており、前科前歴がない」
- 「富士銀行が遺族に相当高額の金品を支払う調停が成立している」
これらを理由に死刑判決ではなく、無期懲役判決となった経緯があります。因みに、富士銀行は遺族に5,000万円を支払ったとされています。
判決は「無期懲役」につき、岡藤無期懲役囚は2023年現在、服役中となります。
ただ、条件によっては、仮釈放(出所)される可能性があります。
刑法第28条によれば,このような無期刑受刑者について仮釈放が許されるためには
刑の執行開始後10年が経過すること
当該受刑者に「改悛の状」があること
の2つの要件を満たすことが必要
無期刑及び仮釈放制度の概要について(https://www.moj.go.jp/content/000057317.pdf)
改悛の情とは
(仮釈放を許す処分は)悔悟の情及び改善更生の意欲があり、再び犯罪をするおそれがなく、かつ、保護観察に付することが改善更生のために相当であると認めるときにするものとする
ということは、判決が出てから20年以上経過した2023年現在、岡藤無期懲役囚が出所している可能性がある?ということでしょうか。
実際は、10年で仮釈放されるのであれば、懲役10年の囚人と差が無い為、実運用上は下記の通達により、運用されているのが実態です。
無期刑受刑者について
刑の執行が開始された日(当該無期刑受刑者が仮釈放を取り消されて収容された者であるときは、当該収容の日。以下同じ。)から30年が経過したときは、
その経過した日から起算して1年以内に、規定に基づき,必要があると認めて仮釈放審理を開始するものとする
https://www.moj.go.jp/content/001384689.pdf
とあります。他の事件も含めて、刑が執行されて実質30年未満で仮釈放となるケースはほとんどなく、30年以上経過したとしても約1,800名いる無期懲役囚で毎年10名前後しか仮釈放されません。
岡藤無期懲役囚が仮釈放(出所)出来る可能性は著しく低いと言ってよいでしょう。
【仰天ニュース】犯人:岡藤輝光の家族はどうしてる?
事件当時、岡藤輝光無期懲役囚の家族構成は
- 岡藤輝光(本人)
- 妻
- 長男(当時3歳)
- 次男(当時1歳)
となっていました。事件後、夫婦は離婚をしたと言われています。
これだけの事件につき、奥さんもお子さんもお名前(苗字)を変えて生きているのではないでしょうか。
当時の年齢を考えると
- 長男:28歳
- 次男:26歳
ということになるので、独立して生計を立てているのでしょう。どこかで幸せに生活していることを祈りたいと思います。
まとめ
冷静に考えれば、起こした出来事は岡藤無期懲役囚に関することではなく、いわば仕事上のお客様とのやり取り(しかもトラブルとかではない)から派生し、
殺人にまで至ってしまったという、ある意味稀有な事件なのかもしれません。本当に残念な事件と言えます。
今後このような事件が起こらないことを祈ります。最後までお付き合いいただきまして有難うございました。