2021年10月の参議院静岡補選での応援演説における「コシヒカリ」発言により、辞職勧告決議が可決され、
以後辞職ではなく、2021年12月の給与と期末手当の返上を公言していた川勝平太静岡県知事。
2023年7月に給与と期末手当返上がされていないことが明らかとなり、最近はリニア中央新幹線静岡工区の着工を認めず問題となっています。今回は
- 川勝平太(静岡県知事)はなぜ当選できた?
- 川勝平太(静岡県知事)のこれまでの問題発言とは?
について確認していきたいと思います。
川勝平太(静岡県知事)はなぜ当選できた?
給与と期末手当の返上を公言しながらも、実際は返納していないことが明らかになった川勝平太静岡県知事。
当人は、
「熟慮した結果、発言に対するけじめは職責を果たすことだと思い至った」
共同通信
と約440万円を返納していないことを職責で果たすと説明しました。
そもそもは”コシヒカリ”発言と言われる選挙応援演説中における失言から、議会における辞職勧告決議を経て出たけじめでした。
また、川勝知事はその他発言や行動でもたびたび問題となることがあり、なぜこういう人が県知事に当選するの?とお思いの方も多いのではないでしょうか。
県知事の任期は4年でこれまでに
4度選挙で当選しています。また選挙結果から、初当選時の接戦を除いては、圧勝と言って良いでしょう。
- 川勝平太(60歳): 無所属/新人:728,706票(得票率39.58%)
- 坂本由紀子(60歳):無所属/新人:713,654票(得票率38.76%)
- 海野徹(60歳):無所属/新人:332,952票(得票率:18.09%)
- 平野定義 (59歳):日本共産党/新人:65,669票(得票率:3.57%)
川勝知事は、新人時の立候補では自民推薦の候補とわずか15,000票差で当選し、大激戦を制しました。
- 川勝平太(64歳): 無所属/現職:1,080,609票(得票率: 72.61%)
- 広瀬一郎(57歳):無所属/新人:345,617票(得票率:23.22%)
- 島津幸広(56歳):日本共産党/新人:61,980票(得票率:4.16%)
得票率が7割を超え、圧勝で2選を果たしました。
- 川勝平太(68歳): 無所属/現職:833,389票(得票率:59.67%)
- 溝口紀子(45歳): 無所属/新人:563,316票(得票率:40.33%)
前回よりも10%程度得票率が低下したものの、元々の地盤を活かし3選を果たしました。
- 川勝平太(72歳):無所属/現職:957,239票(得票率:60.50%)
- 岩井茂樹(53歳):無所属/新人:624,967票(得票率:39.50%)
「リニア中央新幹線問題」「新型コロナウイルス対策」「景気対策」「社会保障・福祉」を争点として闘い見事4選を果たしました。
このように選挙では静岡県民の信を得ているのは、政策と実行が伴って、県民からの支持されている他ありません。
また川勝知事が支持される理由の中で、県民の関心が高いリニア中央新幹線の工事に対して、
静岡県側の主張を押し通せる人材が川勝知事しか居ないと思われていることも、当選を後押しされる理由となっているようです。
そして次に、問題発言の多くが、4選した2021年6月以降が多いことがあげられます。
- 給与と手当返納のきっかけとなった参議院選挙応援演説中の”コシヒカリ発言”は2021年10月
- 女性蔑視発言が発覚したのが2021年12月
- リニア新幹線開業遅延を他県に押し付けた発言2022年9月
- リニア新幹線の根拠薄き他県ボーリング調査の工事妨害2023年6月
- 給与と手当の未返納発覚2023年7月
などです。選挙当選後に集中していることがわかります。
次の知事選挙は、2025年6月となることから、2023年7月現在であと2年間は選挙がないので、このままでは次の選挙は厳しい闘いになるのではないでしょうか。
川勝平太(静岡県知事)のこれまでの問題発言とは?
それでは実際に問題となった発言内容について確認してみましょう。
参議院選挙応援演説中の”コシヒカリ発言”(2021年10月)
参議院議員の補欠選挙における応援演説中の発言で
ライバル候補を蹴落としたかったのでしょうが、そこに住んでいる住民の心情への配慮が全くなく、御殿場市民は傷つきますよね。
女性蔑視・学歴差別発言(2021年12月)
かつて学長を務めた静岡文化芸術大の女子学生らと新東名高速道路の建設現場を視察したエピソードを紹介する中で、学生の容姿に言及した上で
また新東名高速の一部区間の開通が前倒しになった理由を女子学生の来訪と結び付けて発言。
このあたりの発言は、知事の素というか、根っこの部分が出てしまったのではないかと感じました。発言は撤回しましたが、気持ちの良いものではありませんよね。
リニア中央新幹線絡みの発言(2022年9月・2023年5月)
2022年9月の発言では
川勝知事は神奈川県駅(相模原市)の建設現場などを視察した。
神奈川県内の車両基地の用地取得が半分程度しか進んでいないことから、会見で
「品川―名古屋間の早期開業は極めて厳しいことが分かった。神奈川県に一義的な責任がある。
二義的な責任は金子慎・JR東海社長にある」と主張。
「車両基地ができていないと27年開業は難しい。やったら奇跡。神奈川県が27年開業を不可能にした」
https://mainichi.jp/articles/20220923/k00/00m/020/118000c
と一方的に神奈川県にリニア中央新幹線が遅れると想定できる理由を押し付ける発言をし批判を浴びます。
また2023年5月には、調査を行うことで静岡県に本来出る水が抜かれてしまうという建付けで
「静岡県が合意するまでは、リスク管理の観点から県境側へ約3百メートルまでの区間を調査ボーリングによる削孔(さっこう)をしないことを要請する」
https://news.yahoo.co.jp/articles/a259f18bc961a89d1f9f528a09f20a3a7fc21635?page=1
の要請に対し、山梨県側が猛反発します。
長崎(山梨県)知事は「山梨県の工事で出る水はすべて100%山梨県内の水だ」と断言した上で、「山梨県内のボーリング調査は進めてもらう。山梨県の問題は山梨県が責任をもって行う」などと静岡県を批判した
https://news.yahoo.co.jp/articles/a259f18bc961a89d1f9f528a09f20a3a7fc21635?page=1
などが最近の川勝知事からの発言としてありました。言葉だけを切り取ると本当に軽率な発言としか言いようがなく感じます。
まとめ
川勝平太知事は、これまでの政策実現を果たすべく行動力や実現力が評価される一方で、発言内容に責任感が無いという意見もあります。
これらを踏まえて、4年間の総決算が次の選挙となるはずですので、静岡県民はイエスなのかノーなのか、はっきりするのでしょう。
リニア新幹線の問題は、日本の大動脈となる大きな取り組みなので、再度争点となるのでしょうね。真剣なさらなる議論を期待したいと思います。
今回も最後までお付き合い頂きまして有難うございました。